NPO概要
設立概要
前身である日本建築文化研究会「社の極」は、自然・健康住宅をはじめ伝統技術を現代に生かした住空間創り、新茶室の提案、勉強会、ワークショップなどの活動を任意団体として展開し、社会的認知度も高くなって参りました。
今後とも、NPO法人「社の極」として地球環境や健康に留意した住環境の研究発信を行うと共に、各地に伝わる伝統的職方や工芸師のネットワーク化を図り、美しい景観の残る地方都市の活性化を目指して、更なる日本伝統文化・社会貢献の推進を進めたいと存じます。
設立趣旨
日本には古来より伝えられてきたこころと技があります。研ぎ澄まされた技には張り詰めた精神力があり、システムでは図る事の出来ない感覚の世界です。また、日本の職方の根底にある自然観はエコロジーそのものであり、現代社会でも学ぶべき知恵の集積でもあるのです。これらの心と技は建築文化にも織り込まれながら現代まで育まれてきましたが、戦後急速な変化(西洋文化の流入)にその存続が危ぶまれています。世界にも類をみない職方の技や工芸を保護保存のみでなく、現代(21世紀)生活と融合した新しい文化の創造が急務なのです。
平成5年に発足した本会はこれらの技や手法を学び取り、研究開発することでリメイク・リニューアル化して現代生活環境に生かしていく事を主眼に活動してきました。15年目を迎えた平成20年1月よりNPO法人として新たな活動を始動しています。
理事長の挨拶
人間が生活する事は食すること、住する事に始まります。そこに着ることが加わって文化が生まれていきます。これら生活文化の積み重なったものが伝統であり、習慣や民族性はその土地土地の気候風土に育まれていきます。
社の極は、平成5年(1993年)“人は自然の一部である”をコンセプトに発足し、科学製品の発展や奇抜なデザインの裏に押し込められ軽視されがちだった“気候風土に合う機能美を持つ空間作り”を追求すると共に、伝統工芸士や伝統的職方との連携による新規工芸分野作りや地場産業の復興、伝統と新技術(耐震技術やナノテクノロジー等)の融合に至るまで、近代化促進(温故知新)の研究・開発・発信を行う実践グループです。
社の極は、建築関係者のみに留まらず、衣食住あらゆる方面の方から建物に興味のある一般の方まで広く門戸を開き、生活文化―特に住空間を中心に次世代型の住宅から都市計画までの提案を行っていく所存です。発足以降、現在住宅業界の主流になりつつある自然・健康住宅の先駆的団体として研究発信をして参りました。私共は常に新しいテーマを掲げ、現在の無味乾燥な日本の風景や心に建物を通じて訴えかけていきたいと考えております。
伝統建築の手法や技術・風土が生んだ知恵を、現代感覚と融合させる事により、自然にも人にも優しい空間創りと新しい建築文化の創造を発信する「社の極」にご支援よろしくお願い申し上げます。
中原 賢二
建築家(一級建築士第251697号)
有限会社設計処草庵 代表取締役
(財)日本建築家協会 正会員